表現の練習:プロミネンス

表現豊かに原稿を読み上げるためのプロミネンスについて、また表現力を鍛えるために有効な練習方法について解説しましょう。

プロミネンス

ここで言うプロミネンスとは天文学でいう太陽の周りの炎ではなく、文章の中で読み手が最も重要だと思う部分、つまりは強調する部分の事を指します。

主に伝えなければならない重要な単語、キーワードを強調する表現方法ということです。

プロミネンスの方法には次のようなものがあります。
・    強く発音する
・    アクセントの高低差をつける
・    強調したい部分をほんの少しゆっくり読む
・    強調したい部分の前で少しだけ間をとる
分かりにくいと思いますので例文を見てみましょう。

昨日 病院で 佐藤さんと 話した。

この一文だけだと重要な部分をすぐに理解する事は難しいですが、前後の文章や全体的な内容から「昨日」「病院」「佐藤さん」「話した」のどこを一番伝えたいのかを考えて強調する部分を判断します。二つも三つも強調する部分があると、結局何が一番伝えたい部分なのかが分からなくなってしまうので注意が必要です。

詩を読む

文学作品の中では簡単なように見える詩ですが、奥深く、人によって捉え方が違うので表現もさまざまです。表現方法としては、聞き手に訴えかけるよう感情的に読む方法や、逆に聞き手の想像力に委ねて淡々と読む方法があります。

現代文の授業などでも学ぶ事があったと思いますが、詩はリズムや韻など作者の意図がはっきりと見える作品が多いです。同じ言葉が何度も登場する場合もありますので、全体的な意図を捉えながら単調にならないように工夫して読んでみましょう。
また、詩の内容によって声のトーンにも工夫をしてみましょう。

人それぞれの考え方があり、イントネーションや間、プロミネンスなどをどのように組み合わせて表現するか、というのもそれぞれだと思います。あまり形式にとらわれず、まずは自由に読んでみてください。
いくつかのパターンを録音して聞き比べてみたり、友人と読みあいをしてみるのもいいかもしれませんね。

戯曲を読む

戯曲とはいわゆるテレビドラマや映画、また演劇の台本の事を指します。

戯曲で表現の練習を

台本には登場人物の会話や独白などの台詞、また演出・演技などの指定をする「ト書き」が記されています。・・・と聞くとすごく難しそうに感じますが、登場人物になりきって読む、という事に抵抗がなければ表現練習としては一番やりやすいのではないかと思います。

私は高校時代に演劇部に所属していましたので、この手のものには全く抵抗がなくとてもやりやすかったです。

まず全体を読んで話の流れを把握します。次に割り当てられた役を中心に、どういった性格であるのか、喋り癖があるか、他の登場人物との関係性などを考えて自分なりの役作りを行ってください。

あまりわざとらしくならないように、自然な演技を心がけましょう。この練習は登場人物の人数によっては複数人で行う方が良いかと思いますが、台本によっては一人しか登場しないものもあります。

なお、話し方のトレーニングをするだけなら、全文を読む必要はありません。
気に入った部分を抽出して読むだけでも十分な練習になると思います。

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