「話す」と「伝える」の違い
長年付き合って気心の知れた友人とは、簡単な言葉のやりとりだけで意図が伝わる事があります。「アレ」という単語だけでも伝わるなんて事もしばしば。
しかし仕事のプレゼンや会議での発言などではきちんと最後まで説明しなければならないし、よりかしこまった場では流行り言葉は避け、どんな年代の人にも伝わるよう話さなければなりません。
話すことと伝えることの違い
雑談や会議など、シチュエーションに応じて「相手に正しく理解をしてもらえるような話し方」ができれば、よりコミュニケーションがスムーズになります。その点では「話す」事もアナウンス等で「伝える」事にも大きな違いはありません。
では一体、どのあたりが違うのでしょうか?
「昨日、私はお気に入りのデパートへ買い物に行きました」
という例文で考えてみましょう。
友人との会話では「昨日デパート行った」と言うだけでも、相手は「ああ、いつものデパートに買い物に行ったのか」と考えながら次の言葉を聞くことが出来ます。
一方スピーチやプレゼンなどで、相手に何の予備情報も無い場合、「昨日デパート行った」だけではどのデパートなのか、その人にとって馴染みの場所なのかそうでないのか、というような事柄についてはさっぱりわかりません。
このような場合は、話す相手によっては具体的かつ必要な情報を選んで話をするように心がけるだけでも、話はかなり分かりやすく、あるいはイメージしやすくなるものです。
言い換えれば、自分を中心にただ情報を発信するだけでも「話す」ことにはなりますが、「伝える」には相手が分かるような形で情報をアウトプットしなくてはならないということになるでしょう。
相手にもっと伝わるようにするには
具体的で必要だと思う情報を選んで話すとより内容が伝わりやすくなるのはもちろんですが、「もっと深く伝えるには?」という観点でもう少し掘り下げて考えてみましょう。
会話は独り言ではありません。相手がいて初めて成り立つものです。
テレビやラジオの司会者なども「見ている人、聴いている人を意識して話す」事を心がけています。
前提条件として「相手に理解してもらおう」という気持ちはもちろん大切ですが、言葉で人に情報を伝える技術という点では、発音の仕方やイントネーション、声の出し方や言葉の選び方、間の取り方などの部分で、素人と「話し方のプロ」との間には大きな技術力の差があります。
アイコンタクト、顔の表情、身振り手振りなどは状況によって使えない場合もありますが、アナウンサーは話し方のテクニックである程度これをカバーして、効率よく情報を伝えることができます。
アナウンサーとして活躍したいと思っている人は、これらの技術は基本中の基本になりますので、基礎練習や読む練習などを通し普段から意識してみてください。
そして普段の会話を楽しみたいという人も、今までのコミュニケーションに「話し方の技術」を上乗せすれば、さらに魅力的なトークが出来るようになることは間違いないでしょう。^^
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